BRIDGE SCORE

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Philosophy


ブリッジスコアについて

ネット時代において、楽譜出版社は如何にあるべきか?

20世紀末に起こったインターネットの一般化、この波に乗り、一部の作曲家は大手出版社に頼ることなく個人でサイトを作り、営業をかけ、楽譜の購入希望者と直にやり取りすることが当たり前にできるようになりました。

当時大学生だった私もまた「ホームページ・ビルダー」というソフトを使い個人サイトを趣味で立ち上げ、未出版の打楽器アンサンブル作品の紹介、音源の配布、作曲者との仲介をしていました。

その頃、ああ、これで出版業はその歴史的役目を終え、静かに去っていくのだな…と感じ入っていたことを今でも覚えています。しかしながらこの予感は大きく外れてしまいました。何故か?

第一に、販売サイトを管理運営すること、自作に値を付け宣伝することで価値を高め、広げていく仕事は、ゼロから作品を創造することとは別種の能力、エネルギー、時間を必要とし、ほとんどのクリエイター達はこの二足の草鞋を履くことは不可能であったという点。

第二に、海のものとも山のものともつかない新しい作品を社会の中のどこに位置付け、どのように発信するのが良いのか、ということを考えるには第三者による冷静な視点無くしてはありえなかったという点。

第三に、それぞれの出版社にはある種の人格、つまりキャラクターと歴史を持っており、同じ曲でもどの出版社から出すのか、その出版社はどの曲を選ぶのかが作品の立ち位置、他の作品との関係性や文脈に大きな影響を及ぼすという点。

以上の点から、出版業はまだまだ終わりを迎えてはいなかったのです。

故にネット時代におけるこれからの出版業が求められる役割は、単に作曲家から作品を預かり雑務を代行、お客様の求めがあって初めて販売するという受け身の姿勢では事足りず、逆にこちら側からも攻める心をもって創作物とお客様が、創作物と社会が繋がる橋を積極的に創造し、音楽文化の多様化を促進することであると弊社は考えました。

その実現のために、ありとあらゆる努力を惜しまず、弊社が厳選した作品をお客様に、社会にお渡しできるよう、全てを尽くすことをここに誓います。

ロゴマークについて

香川県東かがわ市出身で、マリンバも演奏することのあるグラフィックデザイナー矢野恵司氏に作成を依頼。

四国と本州を繋ぐ瀬戸大橋を抽象化した二本の縦線と、図形楽譜を思わせるA-Zを配列した図から導き出された複数の弧。楽譜と奏者が繋がることで無数の音楽が生まれるように、自由な解釈ができるマークを制作していただきました。

動画・配信について

恐らく同業他社のサービスにはほぼ類例のないものだと思われます。

音源だけではなく、音楽情報番組と銘打って長時間の雑談を配信する理由は、弊社が取り扱う現代音楽というジャンルが一般社会、音楽リスナーにはほとんど認知されておらず、積極的に演奏等に関わる音楽愛好家、はたまたプロ音楽家にすら得体の知れないモノとして敬遠される傾向が大変に強いことと関りがあります。

いわゆる「啓蒙」を目的とした講座などは珍しくありませんが、弊社はもっとフラットに、視聴者の皆さんと共に楽しく音楽全般を考えることを目指して、敷居は無いに等しいくらいに下げて、真剣でなく聞き流して頂くために、このようなラフなスタイルを取りました。ライブ中の質問でしたら出来るだけその場でお答えすることもその一環です。

どうか友人の家にふらっと立ち寄るようにでも、井戸端会議をこっそり立ち聞きするようにでも関わっていただけますと幸いです。

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